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コンストラクションテクニック    2004/2/5

 <1.初期> <2.ユニット命名と戦績表示> <3.ユニット設定> <4.ユニット配置> <5.準備中>

4.ユニット配置

 さて、では各ユニットの配置に移りましょう。
マップとシナリオはだいたい考えがまとまったでしょうか? まあ適当にマップを眺めながらでもいいですけどね。 まずは自車です。 これはすでにユニットが決定しているはずですね。 前のユニット選択で一番上に選択したユニットが自車に自動設定されます。 次に名前の設定です。 自分が付けたい名前を入力します。 前にも書きましたが、なるべくなら安易なものは避けてこった名前をつけてやりましょう。 ただ、別に名前は今付けなければならないものではないので、後からでも構いません。
 続いて初期配置位置の指定です。 これを選択すると、画面がマップに切り替わります。 基本的に各マップにはすでに自車と僚車の初期配置がされています。 これは基本的にタクティクスマップで自車たちが配置されている場所です。 ですが、タクティクスと同じ戦場というのはなるべく避けるべきですので、設定場所を変更します。 自軍の進行方向は可能な限りタクティクスで戦場となってない場所、または逆向きなどの設定を行うと良いでしょう。 タクティクスと同じでは新鮮さが感じられませんし、地形などもみな知られてしまっているからです。 たとえタクティクスでよく戦闘が起こる場所でも、いつもとは逆向きなら新鮮味が感じられるものなのです。
 今回はユニットの設定ですが、その前に戦場設定について詳しく説明したいと思います。
シナリオの戦闘様式ですが、大きく分けて2つのパターンが考えられます。 つまりその場で防衛戦闘等を行う戦域固定型と、戦況によって戦場が変化する戦域移動型です。
 最初は製作の簡単な戦域固定型をお勧めします。

☆戦域固定型マップ
 基本的には防衛戦がメインですね。 次々と敵が押し寄せ、それを自軍が撃退していくというものです。 勝負条件の設定にもよりますが、自軍が防衛する地域への敵の進入の阻止や、あるいは守護すべき歩兵部隊やユニットなどを敵の攻撃から守るなどのものでしょう。 守備する地域は道路の交差点や町、村や橋など。 しかし橋はユニットをうまく通過させるのが難しいという理由から最初は使わない方が良いと思います。
 このパターンで注意すべき事は”変化をもたせること”です。 同じ位置で防衛となると、敵を迎撃するだけといった単純作業になりやすいという問題点があります。 このため、なるべくなら敵の攻勢に変化をつけるのが良いです。 前哨戦→敵の侵攻→敵の総攻撃 とか。 あるいはそこでただ守っているだけでは防げない状況を作る事で、同じ戦域でも自車を動かさざるを得なくしてしまう方法も。 要するに敵の侵攻方向を変化させるとか、敵が側面から迂回攻撃をしてくるとか、正面からでは撃破しにくいラスボスのような敵を出現させるとか。 それとも「オクチャブリスキ」のように気を抜く間もない超接近戦の発生とかも手でしょう。 付近に影響があまり出ない範囲で野砲をドカスカ降らせたりして”戦場らしさ”を演出するのも手です。 敵の総攻撃に合わせて野砲攻撃が始まれば、プレイヤーは”さあ、来やがったな!”と思うものですから。 まあこれらはあくまでも基本的な仕様ですが、想像力豊かな人ならあの手この手であきない状況を作り上げることも不可能ではありません。

☆戦域移動型マップ
 これは標準的な進侵攻型の他、広域防衛戦型、輸送任務、歩兵や装甲車の護衛、救援、強硬突破、脱出、特殊任務など、いろんな条件が考えられます。
 基本的に戦闘の推移により戦場が移動するので、単純さを感じにくい利点があります。 また、視界の狭いマップであれば、近距離での遭遇戦や待伏せなどにもより、プレイヤーに適度の緊張感を与える事ができます。 その辺は緩急をつけると良いです。 終始緊張感をずっと強いるよりも、波を作るといい感じですね。
 わずかな戦力で必死に戦い抜く戦争末期型な戦闘もあれば、強力な戦力で敵を蹂躙する爽快なマップもありです。

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 さあ、だいたいのパターンを決めたらユニットの配置です。 まずは初期配置ユニットをそれぞれ配置していきましょう。 細かい設定は後回しです。 まず、「ユニット設定」画面を見て下さい。 青いAグループと、黄色のB〜Dグループが画面で見る事ができるはずです。 カーソルで各IDを選ぶ事で、それぞれに1ユニットずつ割り当てる事ができます。 選択したら、「NAME」(なぜかNが小文字みたいだが)でどの種類のユニットにするかを決めます。 名称などは後でもいいですので、まずは「初期位置」を設定しましょう。

 初期位置を選択すると画面がマップに切り替わります。 青丸に矢印が確認できるはずです。 自車と僚車の場合は、まずは「初期位置変更」を選択します。 これを選択すると逆四角錘の赤いカーソルが出現しますので、それを動かして置きたい場所を指定していきます。 場所が決まったら〇ボタンで場所を決定、そしてさらに何回も〇ボタンを押す事で設置方向を指定する事ができます。 PAK(対戦車砲)などは88mmを除き、砲の方向が決まってしまうので慎重に。 □ボタンで決定です。

 自車や僚車以外のユニットは「進路指定」を選択し「ルートセット」で配置位置を選択します。 この際、PAKは設定がちょっと特殊で、1ポイントめで配置位置を、そして2ポイントめをどの方角に設定するかで「砲の方向」を決定します。 したがってPAKの場合は必ず2個のポイントを指定しなければなりません。 この設定を忘れるとPAKはあらぬ方向を向いて設置されてしまいますので要注意です。 おそらくタクティクスマップで自軍が進撃してくると予測される方向に対抗して設置されるのだろうと思いますが。

 なお、設置中はLR1キーで各グループの設置状況をそれぞれ表示できるので、配置の際に重なったり干渉しないかなどや進行位置などを確認できます。 LR2キーを押す事で画面を3段階に拡大縮小したり画面を傾けたりもできます。

 配置するのはまず自車、僚車のAグループ、それから敵味方のB、C、Dグループです。 ここで注意しなければならないのは、戦績表示のバグです。 つまりAグループの僚車に空きがあると、戦績表示でBグループのユニットの名前がずれ込んでしまうというバグの考慮です。 大規模戦なら僚車も全部使うのではないかと思いますが、中型戦では僚車を必ずしも3輌とも配置するとは限らないので注意が必要です。 これらについては、<2.ユニット命名と戦績表示>を再度よく読んで考慮して下さい。 
 Aグループに空きがあるなら、Bグループのユニット名が流れて入ってしまうことを踏まえ、Bグループには可能な限り友軍を設定します。 友軍がいない場合は賭けですね。 あらかじめ2で紹介したように、増援出現の飽和攻撃で自車しか表示させなくしてしまうのも手ではありますが、仲間の戦績が表示されなくなってしまうのは寂しいので、可能な限り調節する必要があります。
 初期配置の際は、あとで調節が利くように、いきなり最大数にせず、BグループかDグループに空きを用意しておきましょう。 最大16輌ですが、12〜14くらいにとどめておくと良いでしょう。 なお、最大にするとマップなどの条件にもより、16輌ギリギリでもエラーが出る事がありますので、その予防でもあります。 開始直後からいきなり敵の大攻勢って場合ではまた話も変わりますけど。

 ユニットの配置ですが、可能ならあらかじめ紙などに大まかなグループ別けを作っておくといいです。 たいてい後から手を加えたり修正変更したりしますので、グループの中の配置がバラバラになると後で増援設定などの管理が大変になってしまうのです。 なるべく各グループごとの、4輌ずつの班編成にするのがいいです。
 配置には■▲ボタンでコピー&ペースト(ユニットデータのコピーと貼り付け。「コピペ」と略される事も多い)ができますが、同じ班でほぼ同様な行動をさせる場合はこれを使うと良いでしょう。 なお、コピペする際は、連続するユニット名をつけたい時には先にユニット名を表記しておいた方がいい場合もあります。 例えば「ヒルデガルド1〜4」と命名したい部隊の場合は、あらかじめ「ヒルデガルト」と名前を入れてからコピペすることで、各ユニットにいちいち名前を最初から打ち込む手間が省けます。 あとは1〜4の番号を打ち込むだけで済むわけです。 この場合はあらかじめ各ユニット名を考えておかなければなりません。
 ただし、コピペ後は必ず各車の移動指定を変更するのを忘れずに。 これを忘れてしまうと、例えば同じ増援キーで合った場合、同じポイントに同時出現を命令してしまう事となり、後続のユニットが登場できずに待機されたりするからです。 また、出現ポイントを設定する際は、なるべく他のユニットとはせめて1ユニット分は離しましょう。 重なりかねないほどに接近させると、双方のユニットが合併症状を起こしてしまう事があるからです。 この合併症状とは、ユニット同士が絡み合って動けなくなってしまうエラーで、普段でもユニットがぶつかったりしているとこのように合併症状を起こしてしまう事があります。 狭い場所に複数を出現させる時は要注意です。 なお、出現ポイントは各ユニットの進路も考慮しましょう。 タイミングの関係で、偶然移動中のユニットの真上に出現する事になってしまう場合もありますし、万が一その場所で対象ユニットが被弾して残骸なんかになってしまっていると、その残骸が消えるか、押されて移動しない限りその場へは登場できなくなってしまい、増援の停止でいつまで経ってもゲームが進まないなどという原因となってしまいます。

 遠ければ撃たれる事はないだろうなどと思うのは危険。 人によっては登場を覚えてしまう事により、超遠距離から問答無用とばかりに狙撃してしまう人もいれば、そこへあらかじめ自車や僚車を派遣して待伏せしてしまう人もいるからです。 こういった予期せぬ事態などは、そんな無茶な事をするプレイヤーが悪いのではなく、そんな事態を予測できなかった製作者側の負けなのです。 例えば遠くに出現した敵が移動するためにちょっとでも横を向くことを知っていれば、その横を向けてる間に撃破してしまうのも手としてあります。 自車が弱いからまさか撃破できないだろうなどとタカをくくるのは危険と言えましょう。 プレイヤーのいかなる行動にも対処できないと、「バグだ」とか「つまらない」とか言われてしまうのです。
 増援が出てこないと、プレイヤーは終わらせる条件が判らないためにマップ中を走り回って敵を探したりするハメになります。 橋を渡るのに失敗して川ポチャしてしまい増援がいつまで経っても現れないとか、進路を他のユニットにふさがれてしまったために進路がずれてしまい、森にひっかかってた、なんてのはよくある話です。 これも注意しましょう。 基本的にはテストプレイを何回も繰り返すことである程度は防げますが。

 自車や僚車はまだ動かせるのでいいのですが、CPU(コンピューター操作の友軍や敵)ユニットは配置する場所そのものも考慮する必要があります。 たとえば建物などの陰に待伏せのPAKを配置したとしても、角度によっては射線が通らずにずっと建物などを撃ってたとか、高い位置に配置したら俯角(下方に対する角度)がきつすぎて砲が下を向かずに撃てなかったりとか、建物火点にPAKを仕込んだら、その前を通過しようとした味方を誤射したりとか。 あんまりないですが、マップはじギリギリに登場させた場合、脅威度や敵からの攻撃で後退してしまい、結果としてマップ外へ撤退してしまうなんて事も。 なお、マップ外への脱出については、歩兵ユニットはバグで脱出できないので注意が必要です。

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 では、「行動指定」に移ります。 行動指定は、移動ポイントを最大16手まで指定することで、各ユニットを動かす事ができます。 各ユニットはそのポイントを線で結んだ線上を移動していきます(ただし、上記のように障害物等で進路が乱れたりする事もあるので注意)。
 開始地点からラストまでを指定していきますが、上記のLR1キーによる各グループの表示も参考にしながらやって下さい。
 指定の後、「区間行動指定」も設定する事ができます。 これは各ポイント間におけるユニットの移動に関するもので、A(オート)と1〜3までの行動を指定できます。 A(オート)は自動で標準的な行動を行い、1は積極的に攻撃、2は前進しつつ攻撃、3は全速移動です。 これは「行動」の設定でも決まってきます。 「慎重」「普通」「積極」「強行」と4つあり、各ユニットの行動に影響します。 つまり「慎重」なら近くに敵が居るとあまり前進せず、「強行」だと砲撃よりも強行に移動・突入する事を選択するといった具合です。 「強行」と「速度3」の組み合わせだと、移動に専念するのでとにかく移動させたいユニットや、強力な敵に無理やり接近戦を挑ませたりするために使います。

 「発進地点」は進路指定した後で、”どのポイントを初期配置位置にするか”を選択するものです。 進路指定で1から順番にポイントを置いていったはずですが、これはそのポイントの途中に配置することができます。 これは何の役に立つかというと、たとえば1を画面外に設定しておき、5くらいを発進地点に決めておくと、敵を攻撃していて弾切れになると後退を開始、1まで下がって撤退するとか、そういう風に使うわけです。 この時、途中に補給ポイントを通過させるようにしておくと、友軍車両のみ砲弾を補給して再び前線に戻ってきたりが可能です。 能力を「高い」に設定していると装填速度2倍で撃ちまくるので、すぐに弾切れになります。 そんな時に役立ちます。

 「射撃能力」は説明するまでもないと思いますが、「高い」と砲撃の精度が上がり、敵が同じ位置にいた場合に2発目を確実に当てたり、また砲弾の装填速度も2倍になります。 逆に低ければ役立たずなユニットになってしまいます。 ただ、ユニットによっても命中精度と砲弾の威力が違いますので、バランスを取るために使うといいでしょう。 例えばファイアフライなどの強力なユニットは、高速の17ポンド砲で普通の状態でも命中精度が高いため、これを「低い」に設定したりすることでバランスを調節したりするわけです。 「高い」は奮闘させたい友軍か、あるいは自車の砲撃を邪魔させるために自車を一撃で撃破できない程度の敵に少し混ぜて仕込むか、または「十月農場」のように敵が極端に少なく友軍が多い場合などに用意するといいでしょう。

 「属性」は「敵」「友軍」のほか、増援ユニットだと「自軍」を選択できます。 これの選択も間違えないように。

 「名称」はもちろん各ユニットのコードネームの事です。 なるべくそれらしい良い名をつけてやると雰囲気も出て良い作品になります。 これも<2.ユニット命名と戦績表示>を参考に付けてやって下さい。 ただ、なぜか収録されてる漢字はだいぶ足りないので、場合によっては希望する字がないかもしれません。 そんな場合は似た字を当て字として使用するか、それとも平仮名かカタカナねあるいは別の名前にせねばなりません。 これはちょっと残念なところですが。
 なお、必要はありませんが、徹底的に作り込みたいなら、敵ユニットにも名称をつけてやるのもいいです。 後で紹介するテクニックに「タイマーユニット」などもありますが、これをつけてやる事で、設定時にどの車両なのかをすぐに判別できるなどの利点があります。 敵ユニットに名前を付けるためには一度「属性」を友軍にしてやれば可能です。 設定した後、また属性を敵に戻すのを忘れずに。

 最後に、進路指定はなるべく重ならないように。 撃破された残骸に後続が引っかかってしまう事を可能な限り避けるためです。 また、狭い市街地などは、建物や壁を避けようとしてユニットが混乱したり迷走したりする事があります。 だいたい2車線の広さがあるはずなので、被弾した残骸などが進路妨害とならないよう、うまく設定して下さい。
 橋の渡らせ方は、<戦術・テクニック>の<ユニット編>等を参考にして下さい。 橋の上で撃破されるような戦況を作らないこと、「区間行動指定」で速度3を指定して一気に渡らせる事、渡る前にもポイントを2個ほど置いて真っ直ぐ橋に進入させること、何輌も連続で渡らせようとしないこと、など。


 

次回は増援部隊設定とテクニックなどの紹介の予定です

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2004/2/5 Presented by 羊