戻る 2004/3/2 公開
車輌機動展示/90式戦車回収車
こちらは90式戦車回収車です。 99式自走榴弾砲、74式戦車、90式戦車の機動展示に一緒に入ってきました。 途中で戻ってしまったので、おそらく機動展示車輌の万が一の故障に備えて登場したものと思われます。
90式戦車の登場により、この50tもの大重量に対応するため、90式戦車の車体を流用して製作されたのがこの90式戦車回収車です。
90式戦車を牽引するために50tの牽引能力を持ち、クレーンは90式戦車の砲塔やパワーパック(エンジン)を吊るために25tの吊り下げ能力を持っています。 車体は90式からの流用ですから車体能力は90式戦車と同じです(重量もほぼ90式戦車と同じ50t/最高速度70km/h)。
防御武装としてM2 12.7mm重機関銃を1丁装備、90式戦車の砲塔側面両側に配置されていたスモークディスチャージャー(発煙弾発射機)は車体前部左上部に8つ一列配置に変更されています。 アンテナはクレーンの動作を妨げないように左上部の前後に2つとなっています。 クレーンは右側方向、前後180度に対し可動します。
車体正面防御力は90式戦車と同じと思われますが、上部構造物の防御がどうなっているかは不明です。
車体の変更点としては、背後両側にあった排気口がクレーンのフックなどで塞がれてしまうためか、車体側面後部に新たな排気口を設置し、そちらへと移動しています。 車体上後部は90式のパワーパックなどを置ける荷台になっており、砲身用と思われる設置架台もあります。
90式戦車回収車は平成14年度予算で90式戦車18輌に対して1輌要求、平成15年度予算で17輌に対し1輌が要求されています。 なので、ほぼ装備車輌数対比は18:1〜17:1ぐらいで存在しているのではないかと思われます。
なお、この車輌の能力は90式戦車に対応しているために極めて高いですが、別にこれ1種で全ての牽引に対応するわけではありません。 車体が大掛かりであり、90式戦車と同じく50tもの重量があるために公道での移動などに難があり、そのために装甲車や軽車輌の牽引にはまた別の軽牽引車輌を装備している必要があります。 この90式戦車回収車は戦車専門の牽引/整備車輌といえます(必要があれば何でも引っ張るでしょうけれど)。
武器学校祭では90式戦車を牽引して爆走しつつグラウンドに登場、74式戦車の援護の元、牽引してきた故障役の90式戦車に対して後部に積んでいたパワーパックをクレーンで搭載する実技展示を行っていたのが印象的です(動画展示室参照)。 (※本来パワーパック交換実演なのですが、時間の関係で90式戦車はパワーパックを搭載しないまま登場しています。 本第2写真館のトップページの画像が90式戦車回収車に牽引されている90式戦車です。 土煙から爆走といってもいい速度で牽引されているのが判ります。 また、武器学校の戦車展示場にはこの試作車らしき車輌が展示されていて、いつでも見ることができます)
それでは、写真をごゆっくりとお楽しみ下さい。(画像をクリックすると拡大します)
各画像は1024x786、100kb〜150kb程度です。
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