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2010/11/21 公開
2011/5/19 氷川丸土台固定説訂正

さようなら氷川丸 2007-12-25

2006年12月25日 さようなら氷川丸

 『さようなら氷川丸』とは

 氷川丸マリンタワー株式会社が所有、45年間に渡って横浜市山下公園にて一般公開してきた日本郵船豪華客船氷川丸でしたが、訪問客の減少にともない2006年12月25日をもって同社所有のマリンタワーとともに営業を終了する事となりました。 これにより最後の氷川丸をクリスマスにあわせて見てもらうべく開催されたのが「さようなら氷川丸・マリンタワー」イベントです。
 最終日25日までの数日間、船内ではさようならイベントを執り行い、夜はマストにクリスマスツリーの電飾が行われました。 最後とあって多くの観客が同船を訪れ、25日の18時をもって終了となりました。 アナウンスの後氷川丸はお別れの気笛を大きく3回鳴らして訪れた人々に「さようなら」を告げます。 すると横浜港内に停泊中の多数の船舶から長い、とても長いお別れの盛大な汽笛が一斉に鳴らされ、横浜港を覆うあまりの感動的なシーンに泣きだしてしまう方々も多くおられました。 なんともファンタスティックな、なんとも感動的なラストでした。

 幸いにして氷川丸は日本郵船に、マリンタワーは横浜市に譲渡されて存続が決定し、氷川丸は翌年8月から改修工事開始、2008年4月25日に日本郵船氷川丸として新たに公開されました。

 氷川丸は1930年に日本と米シアトルを結ぶ北太平洋航路豪華客船として就航し、今もなお残る貴重な船です。 名前の由来は氷川神社で戦中は軍に徴用されて病院船として活躍、3度も被雷しながら生き残り、戦後は1960年まで客船として運行を続けていました。 除籍後横浜の山下公園埠頭に係留、公開され、横浜のシンボルとして市民に愛されてきました。
氷川丸は
アール・デコ調の内装についても定評があり、国内で現存するアール・デコ様装としては東京都庭園美術館と氷川丸の2つくらいしか残ってないそうです。

【日本郵船 氷川丸】
1930年4月25日 竣工
1960年12月21日 除籍
全長:163.3m
全幅:21.1m
重量:11,622総トン
主機:B&W社(デンマーク)製 ダブルアクティング4ストローク8気筒ディーゼルエンジン2機2軸
出力:11,000hp (5,500hp×2)
航海速力:15ノット
最大速力:18.21ノット
乗客数:一等船客76名、二等船客69名、三等船客186名(計331名)

2010年4月25日に80歳を迎える

 氷川丸についてはこちら(ウィキペディア−氷川丸)



日本郵船ホームページ
 日本郵船ホームページ

 マリンタワー

 

【アクセス】横浜港山下公園

 googlマップ

  • JR京浜東北線・石川駅から徒歩15分、関内駅から徒歩25分
  • みなとみらい線元町・中華街駅下車徒歩3分。
  • 横浜駅・桜木町駅より横浜市営バス26系統・羽田空港より京浜急行バス「山下公園前」バス停下車。

     

  • 氷川丸
    入館料:大人200円/小学生〜高校生100円/65歳以上100円
         日本郵船歴史博物館とのセット割引券あり
    営業時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
    TEL:045-641-4362
    FAX:045-641-4366
    休館日:月曜日(休日の場合は翌平日) 他、臨時休館日有り
    • 2010年11月12日(金)〜14(日)正午
    • 2011年1月4日(火)
    • 2011年2月22日(火)〜25日(金)
  • マリンタワー
    入館料:大人750円/中高生500円/小学生250円/幼児200円/3歳未満無料
    営業時間:10:00〜22:30 ※最終受付は22:00
    年中無休
    045-664-1100

     

  • 横浜から京浜東北線で石川町駅(約1.3km)、もしくはみなとみらい線で元町中華街駅(約500m)で降りると近いですが、
    私はもっぱら関内駅(約1.5km)で降りる事が多いです。
    桜木町駅で降りれば、観光用路線バス「あかいくつ」で100円で観光場所を回りながら行くことができます。
    みなとみらい地区は全体が観光地であり目的地にあわせた駅で降りるといいでしょう。
    私が関内駅で降りる事が多いのはここからの町並みが好きだからです。
    駅から大桟橋方面へ歩くと石造りの重厚な建物などが多く、かなりいい感じです。
    氷川丸が係留されている山下公園は中華街の北側、大桟橋の東側にあります。

     

     
    氷川丸右舷 から船首方向

       
    右舷から船尾方向、マリンタワーなどが見える
    左の船は横浜港内観光クルーズ「MARINE SHUTTLE」
    各コースあり、ベイブリッジをまわってくる60分コースで1600円ほど

     

      

     
    氷川丸左舷デッキ
    かつて喫茶店があり、夜はビアガーデンなども催されていた
    奥に見えるのは大桟橋に停泊中の豪華客船「飛鳥U」
    (現在はデッキ非公開/船内に飲食設備無し)

       
    氷川丸のマストに飾り付けられたクリスマスツリーのイルミネーション
    さよならイベント限定の電飾
    残念ながら現在のクリスマスでは特にやっていないもよう

     
    「イママデ アリガトウ」
    45年間、ありがとうキャンペーンの電飾と垂れ幕


       
    12月25日、18:00 公開終了により下船
    この時のなんとも言えない惜しさ、寂しさ
    何度も振り返ってみました

     
    氷川丸船尾
    遠くににみなとみらいの夜景が見える

     

     
    氷川丸船尾
    氷川丸の船体はコンクリートで海底に固定され、もう航海する事はできません
    2011/5/19 訂正

    ※氷川丸コンクリート固定説について

    「氷川丸はコンクリートにて海底に固定されているのでもう動かせない…。」
    というのが定説だったようで私もそう信じていたんですが、調べてみるとこの件について疑問符がついたので日本郵船氷川丸様に問い合わせました。
    結果、「氷川丸はコンクリート等で固定されていない」という正式回答をいただきましたので謹んでお詫びすると共に誤りを訂正いたします。
    氷川丸は船としてちゃんと浮いているそうです。
    チェーンにて固定されていますが、潮位で変動します。

    ただ、航海についてはもうできないようです。
    まず動力が無い事、舵なども切断されて稼動しない事、現在の山下埠頭近辺は長年の土砂の堆積などにより浅い所で水深が3m程まで浅くなっており、浚渫せねば氷川丸を出せない事(氷川丸が停泊している部分は掘ってあるそうです)
    その他、出すとなると臨時の許可申請など大掛かりになる事など。

    修理の際にドックへ入れる事も検討されたようですが、これらの問題により、そのまま動かさずに補修工事をする事になったそうです。
    氷川丸は2011年4月25日に81歳となりましたが、前回の補修工事で当面の目標として100年までの保存を目指しての補修が行われました。 船底なども補強工事が行われています。

    なお現在デッキは非公開となり、立ち入りができなくなっています。 これは見学しやすいように一筆書きのように見学路を設定したからという事であるようです。 日本郵船としては氷川丸の内装などが主な展示内容と考えておられるようです。 よってアールデコ調の船室及び船内内装、エンジンルームなども大掛かりに整備しなおされ、以前よりももっと下層の部分まで広く見学できるようになりました。
    とはいえデッキでのんびりするのが乗船客の楽しみのひとつであっただけに、こちらが非公開となった事は残念というより他ありませんが、希望される方は日本郵船本社へ声を届けていただければ、との事です。 アンケートなどでもデッキ再公開の希望の声が多くなれば、あるいはまた公開される事があるかもしれません。
    ※現在氷川丸では月に1回くらい、オープンデッキを行っております。
    詳しくは氷川丸のイベント予定表をご覧下さい。
    直前に追加される事もしばしばあります。

    以上訂正とご報告、お詫びをいたします。
    なお、もしご自身のHPなどで氷川丸はコンクリートで固定されている、と書かれている場合は訂正して欲しいそうです。 よろしくお願いいたします。

    詳しくは日本郵船氷川丸まで
    TEL:045(641)4362
    FAX:045(641)4366


      
    お別れのアナウンス
    氷川丸の気笛が3回、別れを惜しむように鳴らされる
    すると横浜港中の船舶から一斉に返答の汽笛が…!!
    クリスマスの夜、港内に長く大きく多重に響き渡る、氷川丸へのお別れの気笛
    盛大な拍手と、すすり泣く人々の鳴き声と、長く響く気笛
    こんな壮大で感動的な光景は未だかつて見たことがありませんでした

    横浜・氷川丸の夜景(2010/10/8編)へ

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