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レイランド社では1941年11月から、カヴァリア巡航戦車を本格的にA27巡航戦車の仕様に改良する計画に着手した。 変速機、サスペンションの改良が主体で、車体と砲塔は変更されなかった。 これが、A27L「セントー(Centaur:ケンタウルス、ギリシャ神話の半人半馬の怪物)」巡航戦車で、エンジン以外は完全にA27巡航戦車の仕様である。 なお、A27Lの”L”は、ナッフィールド社製のリバティ(Liberty) V型12気筒液冷ガソリン・エンジンを搭載していることを表している。 セントー巡航戦車の試作車は1942年6月に完成し、同年11月には量産が開始された。 ナッフィールド社が設計・生産したカヴァリア巡航戦車と比べると、変速・操向装置がウィルソン遊星歯車式からメリット・ブラウン方式に変更され、エンジン区画が手直しされた。 これらの措置は、ロウルズロイス社製のミーティア V型12気筒液冷ガソリン・エンジンが手に入った場合、エンジンさえ換装すればクロムウェル巡航戦車に改造できるよう狙ったものである。 車体は全く共通であるから、生産ラインの切り替えには支障は無く、クロムウェル巡航戦車を作るための生産準備を兼ねて暫定的に作られた車両である。 セントー巡航戦車の生産は1942年11月に開始され、合計で950両が生産された。 その内の80両は、95mm榴弾砲を装備するCS(Close Support=近接支援)タイプであった。 これらのCSタイプ車両は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦では、上陸用舟艇に搭載されて、船上からの支援射撃を行っている。 砲兵観測車や、20mmポールステン機関砲を搭載する対空戦車に改造されたものもあった。 1943年以降、ミーティア・エンジンの量産が軌道に乗ってからは、従来より搭載していたリバティ・エンジンからミーティア・エンジンに換装して、クロムウェル巡航戦車に生まれ変わった車両も数多い。 セントー巡航戦車は開発当初から、主砲に予定されていた6ポンド戦車砲の火力が乏しいことが問題とされ、新たに開発された75mm戦車砲が搭載されることになったが、初期生産型には火砲の供給が間に合わず、6ポンド戦車砲が搭載された。 なお、この火砲の供給不足は、後にクロムウェル巡航戦車でも発生している。 |
<セントーMk.I巡航戦車> 全長: 6.35m 全幅: 2.896m 全高: 2.489m 全備重量: 28.849t 乗員: 5名 エンジン: ナッフィールド・リバティ V型12気筒液冷ガソリン 最大出力: 395hp/1,500rpm 最大速度: 43.45km/h 航続距離: 266km 武装: 43口径6ポンド戦車砲×1 (64発) 7.92mmベサ重機関銃×2 (4,950発) 装甲厚: 8〜76mm |
<参考文献> ・「PANZER2005年9月号 対決シリーズ イタリア P40重戦車 vs イギリス クロムウェル巡航戦車」 白石光 著 アルゴノート社 ・「PANZER2002年11月号 ラム vs クロムウェル巡航戦車」 白石光 著 アルゴノート社 ・「世界の戦車 1915〜1945」 ピーター・チェンバレン/クリス・エリス 共著 大日本絵画 ・「世界の戦車(1) 第1次〜第2次世界大戦編」 デルタ出版 ・「第2次大戦 イギリス・アメリカ軍戦車」 デルタ出版 |